第6章 告白
しばらく走ると、暗闇に光るテンがいた。
「ずぶ濡れじゃん…」
相変わらずフカフカ浮く光から声が聞こえてきた。
「テン‥
私さ、ただ好きっていうつもりだったのに‥
先生を目の前にしたら、私のこと全部ちゃんと知ってほしくなっちゃって…余計なことまで言っちゃった…欲張りだね」
なぜだか、テンが私を切なく見ているように感じた。
「…ここにきて半年…ようやく伝えたけど…まるで手ごたえがないよ」
そういって切なく笑う私に
「まだ…半年あるだろ?…」
とテンがつぶやいた。
雨なのか、自分の涙なのかわからない濡れた頬をぬぐいながら、テンと家に帰った。