第5章 互いの眼に映るもの
かかしサイド 続き
それからすでにシカマルにさぼりがばれていることを伝えると、りかは突然走り出した。
おいおい、この道を走って帰るつもり?
しかたないなー
と本当はそこまで困ってもないけど、瞬身で彼女のもとにいった。
と、同時に影分身からの情報も入ってきて、シカマルに俺もさぼっていることがばれた。
「ふぁあ!?」
「まー俺の影分身もばれたからさ。怒られちゃうね。
りか、ここから飛ぶからじっとしててね」
「と、飛ぶ??」
抱きかかえしっかり胸元に引き寄せると、彼女の小ささがより実感できた。
忍びでもない彼女が、こんなところから飛ぶなんてきっと恐いだろうと思い、大丈夫という思いも込めて彼女に微笑む。
と、俺の眼に飛び込んできたのは
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赤色に、オレンジに、ピンクにもそまった頬と唇。
両目でしっかりと俺をとらえて離さない黒い瞳。
心地いい風になびく綺麗な黒髪だった。
心の奥で何かがはじけたような感覚がした。
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「こぉらーーーーー!なぁにやってんすか二人とも!」
シカマルに結局怒られて、しぶしぶ俺たちは仕事を再開し
た。
なぜか、こんな日も悪くない…と俺は思った。