第5章 互いの眼に映るもの
かかしサイド
トイレから火影室に戻るとき、りかがキョロキョロ、コソコソと火影室から出ていく姿をみた。
ありゃ何か企んでるな…
くくくっと笑いながら、いったん火影室に戻る。
りかの机にも書類が山積みになっているのをみると
息抜きという名のさぼりだな…
と思った。
俺はそのまま何食わぬ顔で作業を続けていたが、さすがにシカマルが気づいた。
「ったく、りかのやろー。これ今日中だって言ってんのに」
ブツブツ言いながら、またどこかへいったので、自分も影分身を置いて抜け出した。
「さて…どこに行きましたかね…」
わりと鼻は効くほうだし、里内くらいならパックンを呼ばなくても見つかるだろう。
そう思って瞬身でかすかに残る彼女の匂いをたどった。
火影岩の上にたどり着くと、小さな背中が崖から身を乗り出して
「うっわーーーーーー!!!!めっちゃ綺麗!!」
と大声で叫んでいる。
おいおい、危ないでしょーよ…
と若干ドキドキしながら彼女に近寄っていくと、今度は頭を抱えてまた叫んだ。
「あ~~ぁぁぁ…だって、止まんないんだもんこれ!」
プっ!そのしゃべり方、木の葉丸そのものだな(笑)
「何が?」
そう返答すると、彼女は固まった。
ほんとおもしろい。