第9章 狩りに最適な日
狡噛のコートをかけられた朱の親友、船原ゆきは詳細を話した。
「じゃあ、常守朱にメールを送ったのはあんたじゃないんだな?」
「知らないわよ! 何なのよこれ!? 何であたしこんな所にいるのよ!?」
両手首に痣をつけた船原は頭を抱えて言う。電車が暗闇を進んでいく———。
「あんたを捕まえて、ここに連れてきた奴がいる」
何も憶えてないか、と問う狡噛に「……分からない」と下を向きながら話す船原。
『地下鉄路線です 車両を捜索して下さい』
『破棄された地下鉄路線です———』
「あ……朱の声?」
「良く出来てるが、サンプリングから合成した偽物だ。……地下に入ってくるのは、彼女じゃなくて代理の誰かだと、最初から予想していやがった…………目当ての獲物は常守じゃない」
「目当ての獲物は………俺なのか?」