第7章 初めての...【太一】 甘裏
「いたいいたいいたーい……やっぱり太ちゃん、無理、怖い……」
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「万ちゃーん泣」
「おぅ、どうした太一」
キョロキョロと太一が周りを気にする。
そして誰もいないことを確認するとサッと万里の背中を押し、物陰に隠れる。
「うぉ、危ねぇ」
そして、万里の腕には太一が離さんと言わんばかりにしがみつく。
万里はブンブンと太一を引き剥がす。
「何なんだよ、一体」
「俺の一世一代に関わるようなことなんすよー!相談乗ってください!」
「お前の一世一代は何回あるんだよ、この間だって相談乗ってやったろ」
「そ、そうっすけど……じゃなくて!この間の件の続きなんすよ!」
「この間は他のやつらだっていたろ、何でこんな物陰何かに」
そうすると、うるうると太一は目を涙ぐませる。
「おい……まさか」
「そのまさかっす……」
何かを察したように万里は頭を掻きながら太一に目を向ける。
「とりあえず何があったか、話してみ?ゆっくりでいいからよ」
「そ、それが……」
そう、あの日。
前日よりも前に万里達に相談し恋人のいづみとのデートの計画を練っていた。これなら何とかなるだろと皆が太鼓判を押して、太一はいくつかのパターンをメモして手を振って出掛けた。
周りの男達はどうしても最後までしたいという願いを聞き、男ならば1度は考えることでアイディアはたくさん出てきた。
結果、デートは成功を納め、いい雰囲気にもなりホテルに入るまではすんなりであった。その後もちろん太一も緊張はしていたものの、いづみの初めてみる裸に興奮し、前戯も行い、最後まで行く……はずだった。
どうやらいづみは処女みたいで、ドキドキしながらもホテルに手を引かれていた。太一からのキス等で完全に身を任せていた。しかし、挿れようとすると太一が想像していたよりも入口は狭く、自分のをあてただけでも、いづみの顔は強ばっていた。ぎゅっと太一の腕を掴み、太一もそれを確認しつつゆっくりと自身を中に挿れる。いづみの顔が歪んでいく。太一自身も焦りの表情が浮かび、額に汗が出てきた。そして、太一自身のものが処女膜に突っぱねたその時だった。
「いたいいたいいたーい……やっぱり太ちゃん、無理、怖い……」