第1章 秘密の秘密【臣、太一】 甘裏
「いづみ!……っ。俺もイくっ」
「臣!おっ……私も、、、」
--------------
カーテンの隙間から眩しい光が射し込む。
目が覚めると、たくましい腕に抱かれ、隣ですやすやと寝息をたて眠っている愛らしい彼の姿がみえた。
(……ぁ。そっか。昨日臣の部屋で……)
たくましい腕の中からもぞもぞと身体を起こす。
私はいつの間にか寝巻きに着替えられており、隣の彼も下だけ寝巻きの状態であった。
ゆっくりとお布団をめくり、もう一度彼の顔を見直す。
(……綺麗な顔)
少しだけならいいよねと思い、顔を近づけて口付けしようとするが、何となく恥ずかしくなってしまい口付けをしないまま顔を離す。
「朝のキス……してくれないのか?」
目がパチリと開きはなしかけてくる。
「臣、起きてたのなら普通に目を覚ましてよ」
「今起きた」
「んむ。嘘ばっかり」
「ははは……」
今度は臣の方から顔を近づいてきて、触れるか触れないかのキスをする。何度か角度を変えていき、キスの雨のように降り注いだ。
段々と恥ずかしくなり、いづみは頬を赤らめ、自分の手で自分の顔を隠す。
その仕草を予想していたかのように臣の手は、いづみの手首を掴んだ。
「臣っ……は、恥ずかしいよ」
「昨日のいづみ、可愛かったぜ」
そして再びキスの嵐が降ってくる。
いづみの耳にはトントンというのぼってくる音も聞こえず、臣のキスに答えていく。
「臣くーん、朝食っ………………たべないっ……すか」
赤い髪の毛から首までみえた頃には、いづみと太一の目が合う。2人して顔を赤くして、目が点の状態であり、動作が止まる。
太一が目の前にしたのは、同室者の臣の彼女が臣とキスをしている光景で、さらに言えば彼女は寝巻きを着ているもノーブラであり胸の突起が寝巻きの上からでも分かる状態で、下は履いてなくスラッと白い足がみえる状態であった。彼女の顔は紅潮し、目はトロンとしていた。
「お、俺っち。お邪魔だったすね!!みんなには臣くん遅れるって伝えてきますっ!」
「太一、そろそろ来ると思ってた」
「「!!」」
臣の言葉に、2人揃って反応する。
「え。昨日太一くんは昼過ぎまで帰ってこないって……」
「言ったかなぁ」
ははっと臣は笑って誤魔化す。