第3章 好きな気持ち【綴】 甘裏
「……いづみ、俺も一緒に居たいけど、これ以上はなんて言うか……俺も男だし、いづみのこと好きだし、傷つけちゃうかもしれないよ」
「傷つける?」
こくんと首を傾げる。
あー、そう言うのは逆効果何だって、と俺はいづみの身体を引き寄せ抱きしめる。そして耳元でそっと呟く。
「……だから、、キス以上のことしたくなっちゃうだろ」
かぁぁと顔が更に暑くなる。顔、見られなくて良かった。
俺の身体に収められたいづみが背中に手を回して来て、俺の耳元で、いいよ、って呟く。
俺は返事に驚いて、いづみの両肩を持って顔を見る。
こくんと縦に振るいづみをみたあとは、手を引いて、車に乗り込み、気が付くとボタンを押してラブホテルの一室に居た。
正直何を話したのかも緊張して覚えていないし、どうやってここまで来たのかもあまり記憶にない。
そして、その様子はいづみもあまり変わらなかった。
ずっと顔は赤面して、俺の手を握って、緊張していた。
ガチャと部屋の鍵を閉める。
靴を脱がないまま俺は振り返りいづみにキスをする。
「んっ……」
びっくりしたいづみをそのまま壁に押し寄せ、顎を上げる。
そして、もう一度キスをする。
いづみが持っていた鞄を持ち、靴を脱いで上がる廊下へと置く。
キス自体は初めてではないのに、いつもより唇が甘く柔らかい感じがする。俺の心臓もドキドキと音が止まない。心做しかいづみの心臓の音も聞こえるような気がする。
もっといづみの唇を食べたい。
気が付くと俺はいづみの口に自分の舌を入れていた。
ビクッといづみの身体が揺れる。
そのまま俺の手で腰を引き寄せる。
いづみの舌は柔らかく、弾力があって、少しザラザラな感じがして心地がよい。気がつけば俺の首の後ろにいづみが手を回している。
スっと唇を離す頃にはいづみの唇にはテラテラと俺の唾液で輝いていた。息継ぎの仕方が分からなかったのか、いづみの息は切れていた。
その姿にムラッとして、下半身に熱が集まる。
「いづみ、……一緒にお風呂入ろう」
2人は靴を脱ぐ。
部屋に入り、いづみはベッドを見る。
適当に選んだもののベッドには天蓋がついていた。
「わぁ……お姫様みたい」