第6章 文化祭 *
腕枕をしながら布団を掛けてくれるが、久しぶりに聖臣と体が触れて緊張する。
「聖臣!なんで入ってくるの?」
「嫌?いつもみたいに手だけ握ってたほうがいい?」
「えっ、嫌とかじゃなくて…いつもの聖臣と違うし…えぇっと…なんか怒ってる?」
横目で見れば聖臣が、『なんで?』といった顔で見てくる。
「俺が、怒っているってなんでそう思った?」
少しトーンが低い時は、ちょっと怒っている証拠、だから素直に答えるのは一番。
「だって、さっき侑君と話してた時、怒ってたしお仕置きとか言ってたから…」
「怒ってたよ、俺に内緒にしてただろう?」
「それって、夜中に侑君と電話してた事?」
あっ、不貞腐れてる顔だ。
「それ以外に何があんの?」
「うぅ~眠れなくて侑君が掛けてもいいって言ってくれたから。
それに、学校とか部活忙しいと思ってちゃんと、負担にならないように土曜の夜にしたんだからね」
深い溜息を洩らしながら、体を起こして覆いかぶさる。
「それ、マジで言ってんの?」
「えっ!だから、眠れなくてっ」
怒っている聖臣を抑えたくて、身振り手振りで答える。
「そうじゃない、なんで俺に掛けてこないの?」
「そっそれは、聖臣に負担掛けたくなくて、薬の事も眠れない事も言いたくなかった…」
聖臣が、怒っているのは分かっているから、目線を合わすことが出来なくて、涙がこぼれそうになる。
けど、聖臣がそれをさせてはくれない。
片手で右腕を囚われ、目線を外させないように顎を真っ直ぐに向けられる。
「負担って何?俺がいつそんな事言った?アイツには、弱み見せてなんで俺にそうさせない!」
「違う!」
「何が違う?」
「弱みなんて見せてない、眠れない事は自分から言ってない・・・侑君が気づいてくれてそれで…」
「じゃ、アイツに縋りついたのかよ!あぁ…やっぱり無理、マジでムカつく!!」
右腕を掴まれた手を解くと、指と指を絡めるように強くシーツに抜いつけ、片方の手は優しく頬を撫でていく。
聖臣のアンバラスな感情が伝わってきて、なんて答えていいのかわからない。
「聖臣…」
「今は、何も言うな…」
名を呼び瞬きをした瞬間、もう片方を左手に絡めて強く握られ縫いつくされれば、身動きが取れない。
いつもの優しい聖臣じゃなくて、怒った聖臣に感情が完全に傾いてしまっていた。
