第6章 文化祭 *
聖臣と侑君に眠れない事を南條先生に相談し、処方してもらっていた事を話した。
毎日は使わず、本当に眠れない日だけ服用していた。
もちろん、土曜の夜は夜更かして侑君と電話していたから、ほぼ寝落ちのため薬を服用してはいない。
侑君からは、『なんやよかった』と少し安心していたけど、聖臣にあえて言っていない。
目線を合わせるどころか、今にも逃げ出したい気分だ。
案の定、聖臣の気分はすこぶる不機嫌MAX、どうしよう…。
『別に土曜の夜以外でも電話してくればいいやん、これから毎日でも掛けようか?』
「はぁ?お前バカじゃないの?もう睡眠薬も電話もいらない」
『なんでやねん!』
「俺が、沙耶と寝付くまで一緒にいるから、もう必要ない」
なんでそんな事言うの?
「待って聖臣!侑君と電話し・・・」
電話したいって言いかけると同時に、聖臣が口に触れる。
えっ?侑君と電話繋がっているのに、なんでキスするの?
離れた唇から『待って』と言わせてくれなくて、頭事持っていかれると聖臣の舌が入ってくる。
もがいてもビクともしない。
「待っ・・・せいっ‥うんんっ」
『どうした?沙耶!!』
どうしよう、侑君に聞かれちゃう。
「沙耶…」
離れていく唇と不安に揺れる聖臣の顔が、心に刺さる。
そんな顔しないで欲しいのに…。
まるで、失くした宝物を探すように名を呼ばれれば、抱きしめたくなる。
「聖臣…」
顔をなぞれば、不安に揺れていた顔から安心した小さな子供のように胸の中に蹲る。
「侑君…ごめんなさい。
もう夜も遅いし、電話切るね」
『待てって、話終わってなっ』
侑君に悪いと思いながらも、言いかけた言葉を遮るように『おやすみなさい』と電話を切った。
今だ、胸の中で蹲る聖臣が心配になる。
「聖臣?寝ちゃったの?」
「うん?寝てない歯磨きしてくる…沙耶も寝る準備しなよ」
頭を人撫でして洗面所に行く姿は、いつもと同じでさっきまでとは違う。
怒っているわけではなさそうで、不安がっていた様子もない。
明日の準備を一通り終えると、聖臣は、何も言わずベットまでお姫様抱っこしてくれた。
ベットに優しく降ろされると、いつもなら布団をかけてくれて寝付くまで手を握ってくれるのに、今日はそれをせず、一緒に布団の中に入ってきた。