第4章 宮兄弟の愛し方
侑aide
「いきなり何やねんって」
勢いよく手を離すと、少しよろけサムの方へに体が流れる。
「佐久早、ほんまさっきから俺らにあたるのやめろや」
俺を支えながらもサムは、敵意を向きださないように冷静に声をかける。
「お前、沙耶をなんでこんな時間まで連れ回してた?
沙耶は、目覚めたばかりで本来の体力も免疫力もない。
それをわかってて、連れ回してたのかって聞いている?
前らだけじゃない、元也お前もだよ!」
俺達の後から、トボトボと歩いてくる古森君の姿に吃驚した。
「ちょ待て、連れ回すとか何言って・・・外の空気を吸わせてやりたかっただけや」
佐久早君が、チッと舌打ちをすれば更に眉間に皺がよる。
「考えなしの行動は、慎めよな。
沙耶の状態は、不安定なんだよ。
事が大きくなれば、前みたいに戻るかもしれないから気をつけろ」
「お前、さっきから医者でもないのにわかるのかよ?」
「少なくとも沙耶の状態は、お前らより知っている」
「戻るってなんだ?」
それは…と言いかける佐久早君の背後から南條先生が遮る。
「全く、お前らちゃんと沙耶の状態を理解しろ!
聖臣君は、少し勉強してきているみたいだね。さすが!優等生」
「茶化すな!あんたが言ってた事が気になったから調べているだけだ」
なんだよ!二人して、佐久早君も頭良さそうだし、調べてわかることなんか?
俺には、理解できへんかもしれんけど…。
「先生、佐久早君の言ってた『戻る』って何?」
「ヒントをあげたのは、聖臣君だけってのは不公平だ。
侑、治、後で説明する。それに、元也君も聞きたいだろう?」
不敵な笑いをしながら病室に入り、沙耶を処置していく。
繋がれた機材の線の束を見ながら、沙耶の顔がどんどん青ざめていく。
「バイタル安定してないですね。このままだと…」
「そうだな、最悪感染症や脳に異常が発生するかもな」
感染症!脳に異常って何や?
足と腕の怪我だけやないのか?
「なぁ、佐久早君は、先生に何ヒント貰った?」
不安を隠すように、手を強く握りしめた。