第4章 宮兄弟の愛し方
侑side
意外にもサムからあの二人に嫌悪感を感じているとは思わなかった。
そう思うのは、だいたい俺の方だったりする。
基本的に、二人とも嫌いな事は嫌いと言える達だがサムは、あまり他人の事を『邪魔』とか言うタイプやないやんな。
せやけど、『気持ちは俺達や佐久早君と一緒やんな』とサムに言ったものの、俺達と一緒って!正直、何が一緒なのかわからへん。
一個だけ似てると思えた事はある。
俺達は、双子でありながら同じバレーをやっていて、沙耶と小さい頃から一緒にやってきた事。
アイツらは、従兄弟同士でそれも2人とも沙耶と幼なじみなのは一緒や。
時間で比べられたら当然俺達の方が、断然関わり合う時間は少ない。
けど、携帯やLINEで繋がる世の中、会えないときが長くても繋がってはいたと思う。
あの日、病院で会った時の二人の言葉や沙耶に対する思いが強い事にびっくりした。
特にあんまりしゃべらん佐久早君が、強い口調で沙耶に思いを伝えていた事が印象的で、何よりも古森君より危険だと思えたからだ。
本気でぶつからないと、沙耶が俺に振り向いてもくれんし、傍にいてくれんとも思えたんや。
「なぁ、サム…沙耶は、佐久早君や古森君の気持ち気づいてたと思うか?
俺は、アイツらの気持ちに気づいてないと思えたし、俺達のことも似たようなもんや」
「せやな、恐らく佐久早も古森も沙耶を失う怖さで、今やっと好きやって言っとると思うで」
サムも『俺達も似たようなもんか』と呟いた。
溜息を漏らしていると古森君が、沙耶を抱きしめていた。
無性に『誰も取られたない』って思えた。
それを見たせいでイライラしていると、サムから声が掛かる。
「なぁ…沙耶の様子変やないか?倒れてないか?」
そう言われてみれば、古森君の様子も慌てているようでおかしい。
「ツム!行くで!沙耶の様子見に行くぞ」
サム言われ急いで病室を出ると、ナースステーションにいた母親から呼び止められる。
「侑、治!待ちなさい。沙耶ちゃんの様子はどう?」
「ごめん!それどころじゃない、沙耶のとこ行かんと」
慌てて通り過ぎようとしていると、沙耶を迎えに行った佐久早君が戻って来た。