第4章 宮兄弟の愛し方
治side
何やねん!次から次と沙耶に近づくんや。
「ありえんやろ?」
じっと2人を観察していると、ツムが真っ赤な顔で病室に入って来よった。
今更童貞でもあるまいし、なにウブっとるんやろ。
そんな締まりのない顔されたら、北さんに怒られるで。
溜息を吐きながら横目で見れば、惚けたツムの顔が段々ムカついてきた。
「ツム、アレなんやねん。
抜け駆け禁止言って、先にキスしたんはアカンけど、俺の居ないところでするのはどうなん?」
「はぁ?なんやソレ?お前に言われたかない。
それよりなんで、知っとんねん?」
窓際にサムを来させ、右側を指差しすると驚いた顔で俺を見よる。
当然、ここからなら中庭もみえるし、沙耶と何しとるかも丸分かりや。
「なんやねん、監視とはエゲツないやん」
エゲツないって!まぁ半分は当っとるかな。
「ほんまや、自分でも思うけどエゲツないなぁ。
けど、俺がいない所でキスするな、それこそ抜けがけやん。
ツムも沙耶の事、好きなのは知っとる…せやけど、いない所でキスとかないやろが!!」
『すまん…』とツムから、意外にもすぐに謝ってきた事にビックリする。
けどその3秒後、さすがツムや!すぐに撤回された。
ボケだの3か条だの喚き散らしとる。
最後の言葉は、流石にきついねん。
「沙耶は、サムでも渡されへん」
ツムの顔が、マジで言っているから冗談にも付き合えない。
俺も同じ気持ちやし、やっぱり双子。
同じ人を本気で好きになるなんて笑えんなぁ。
「強引…そんなんじゃ沙耶が、泣く。
別に自分のものだけにしようとか考えとらん。
寧ろ、佐久早や古森から遠ざけるのが目的だけど?」
自分と同じ顔で不適に微笑むと、ツムもそう思っとるみたいや。
中庭をみれば、古森が沙耶を抱き締めてキスをしていた。
「ホンマ、アイツら邪魔」
「そやけど、古森君って沙耶の事、大事な妹・幼馴染で一歩後に身を引いてるんかと思っとったけど、そうじゃないんやな。
やっぱり、気持ちは俺達や佐久早君と一緒やんな」
俺らと?
「何やねん、俺らと一緒って?」
サムが、何か通じるものとか思えたんか?俺には、無かったけど?
何も答えないツムは、遠い目で沙耶を見つめていた。