第4章 宮兄弟の愛し方
治side
「お前は、探さなくてもいい。沙耶が、居る場所は検討がつく」
佐久早は、引き出しから淡いグリーンのチェック柄のブランケットを持ち出し、部屋から出行く。
「あっ!お前らもう帰っていいから、元也も合流するし大勢で病室に居られても邪魔だ。
さっさとホテルなり帰れ!」
通り過ぎ際に言われ、久しぶりにキレそうや。
何で上から目線で言われなあかん。
「お前ウザい!俺達は、沙耶の見舞いに来たんや。
なんで?お前に指図されなあかん?
沙耶に言われるならまだしも、お前にそんな事言われたない。
それとも…俺達に奪われるんじゃないかって恐いんか?」
背中越しにビクッとなっている佐久早に、自分でもしてやったりな感じやと思っていた矢先、振り返ると同時に、ズカズカとやってきて胸ぐらを掴まれる。
「誰に誰が、奪われるって?沙耶は…渡さない…誰にも渡さない…」
「意外やな~余裕ないやんお前!誰にもって!お前その意味わかって言うとるんやろうな?
沙耶の気持ちも無視して、それ言えんの?」
我に返る佐久早は、沙耶の事になると露骨に感情がでるみたいだ。
「反論できんののなら、この腕離せや!」
やっと振りほどかれ、睨みつけて一言俺の耳元で、「沙耶は、俺しか見てない!お前らに入る隙なんてない」と告げ去っていく。
「あぁ、なんやねんアイツ 」
手強いな、心如バレーでもボッキボキに折りたい気分や。
溜息を付ながら窓辺に行けば、奥の空が茜色に染まっている。
目先を変えて見れば、病院の庭を発見。
そこには、沙耶とツムがベンチに座っている。
「おぉ、二人共い…た…」
見つけたと思っとったら、ツムが沙耶にキスする瞬間だった。
はぁ?何やっとんねん、ツムの奴バカなんか?
俺が、おらん所でなんでキスしとるん?
意味不明や!それこそ抜けがけやん。
戻ってきたら容赦せん。
イライラとしていると、今度は、古森元也が近づいてくる。
どうやら沙耶は、古森に泣きついてる感じだ。
大方、俺にもツムにもキスされて好きだと言われて、パニックを起こしているに違いない。
佐久早と違って兄のように慕っている感じを受けたけど、それは、沙耶側であって古森は多分違う。