第4章 宮兄弟の愛し方
治side
起きた沙耶は、眠っていた時よりも顔色がよく、俺達と他愛のない話でよく笑っていた。
でも、ツムも俺も沙耶の事が、好きなのは互いに言わんくてもわかっていた。
ココに来るまでに3カ条を作ってみたものの…ツムも大概やけど、俺も対して変わらない。
その3カ条も先に破ったのは、以外にも自分だった。
ちょっとした事、ほんまにちょっとした事やねん。
沙耶が、ツムの腕をツンツンしながら、あの満面の笑顔を向けたから…。
同じ顔、同じ体格、性格と声は違っても双子の本質は変わらんと思っていた。
けど、沙耶は、ツムだけを見とるようで釈然としない。
3人でいる時は、半分個とは言わんけど俺も見て欲しいと思うのは、只のエゴでしかないんかな?
ツムにやる…それはないけど、もし沙耶が…ツムを選ぶんやったら、それはそれでいいと思えた。
でも、アイツらはアカン。
特に佐久早聖臣は、俺達にとって邪魔な存在や。
そうこう考えとる間に、看護婦さん達に事情を話して、ツム達がいる場所に向かうことにした。
が!アイツらどこに行ったん?何も言わんかったな。
夕暮れ近いから、羽織物とか持っていけばいいんか?
来た道を戻り、病室に向かうとムスっとした佐久早を見つける。
「久しぶりやな、佐久早」
「……」
「なんやねん、無視とかありえん。
普通、声かけたら挨拶ぐらいするやろ?」
また、無視か!それより、沙耶が部屋におらんで不機嫌なオーラ出まくりなのはわかるけど、少ししゃべれや。
「宮治、沙耶はどこに行った?片割れと一緒なの?」
「あぁ~沙耶は、ツムと散歩や」
散歩だと告げると明らかに嫌そうな顔をする。
露骨すぎやな。
「もう、夕暮れなのに沙耶を連れん回して、何してんの?
お前の片割れバカか?沙耶が、これで風邪拗らせたらココ出禁にしてやる」
殺気だす佐久早に、目線を混じり合うも一つ溜息をこぼして、コイツの言っている事が正論だと思う。
「そうやな~風冷たくなってくる頃やろうから、羽織物持ってそろそろ迎えに行こうと思ってたんや。
佐久早さ、沙耶の羽織物なんかどこにしまってあるか知らんか?」
質問をしてみるも睨みつけてくる態度が、相変わらずだ。