第6章 文化祭 *
ポンポンと背中を軽く叩かれて擦られて、幼稚園児にでもなった気分。
泣くって疲れる…。
考えたら、こんなに泣いたのいつぶりかな?
お母さんが、あんな状態になってもこんなに泣いたことなんてない。
「沙耶涙流し過ぎ、枯れて何もでなくなるよ。
…ごめん、意地悪が過ぎた…」
聖臣が、先に謝ってきた。
私の方が、ちゃんと言わなきゃいけないのに。
「沙耶が、過呼吸になるくらい苦しそうにしてるのに、我慢しようとしてるから。
俺に甘えてくれないし、宮兄弟の方はいいのかとか色々思ったりして、頼ってくれないのが悔しい。
自分が、一番に分かってあげたいのに、意地悪とかしてたらダメだよな」
宮兄弟がいい?どういう意味?
聖臣に頼りっきりなのに、どうして?
いつも聖臣の優しさに甘えて縋りつく癖に、聖臣の気持ちと向き合っていない。
「…心配かけさせたくなかったから…」
聖臣が、怒っているじゃないかと思うと、手が震え小さな声で伝える。
「俺は、心配したい…。
一人で塞ぎこんで泣いてたら嫌だから、ちゃんと沙耶の心の声を聞いていたい。
迷惑かけてるって思ってたら、それも違うから寧ろ言ってくれない方が迷惑だ」
心配したいなんて、こんなにも面倒くさいのに何で?
「何で?とか思っている?何度も言ってるけど俺は、沙耶の事を一番に理解したいし、何でもしてやりたいと思っているんだ。
沙耶が、苦しいなら支えてやりたいし、楽しい事ならずっと笑顔でいて欲しい」
聖臣の言葉が、すっーと心に響く。
今なら少し話せるかな。
「聖臣…私、学校…人が怖い…」
聖臣は、相槌を打ちながら優しく抱きしめてくれる。
暖かい腕の中が、だんだんと色づいて安心する。
「誰も分からなかった…みんなが、私に笑顔で『おはよう』って言ってくれるけど、本当に仲が良かったのかって疑ってしまう。
でも…結衣ちゃんはわかるんだよ。
中学から仲が良かったから、覚えてたんだと思う。
けど、みんな私の事を事故に合って可愛そうとか、先生に言われて無理やり仲良くしようとかしてない?
私は、そんなの要らない!私は、前の私じゃない!」
あぁ…止まらない、止まって!!
もう何もかも崩れていく…。
心が痛くて、辛かった。