第6章 文化祭 *
聖臣が、目を細めると溜息が聞こえてくる。
「聖臣、心配した?」
心配した?なんて自分で言うのもなんだけど、あざとく聞くなんてどうかしてる。
でも、聖臣の反応がない。
さっきから、元也と喋ってばっかりで聖臣は何も言わない。
重い空気を察して元也は、『ご飯出来るまでもう少し休みなよ』と言い、強引に聖臣を連れて部屋を出て行った。
ヤバイ!これは怒ってる?
元也は、何も出来なかった事を気にしていたけど、聖臣の方は明らかに違う。
きっと、一人で行動した事と無理して笑顔を作ったり、『大丈夫だから』とそれ以上踏み込ませないようにしていた事がバレている。
行動と言動が伴ってないから、心配して何度も聞こうとしてくれたのに無視をした。
誰だって、そんな事されたら怒るのも無理ないか。
はぁーと大きな溜息をつくと、頭のこめがみが痛くなり悶々としながら、知らないうちに眠りについた。
カタンと扉を開ける音がする。
薄っすら目を開けると風呂上がりの聖臣が、顔を覗き込んでいる。
「ごめん、起こしたか?」
「今…何時?」
「あぁ、今9時回ったとこかな」
9時!!あぁ~ご飯食べれてない。
「お腹空いた?征兄が、リゾットを作ってくれてるけど」
「征兄は?」
「急患だって、病院呼び出しされてた」
「そうなんだ…相変わらず忙しい人だね」
用事があるから来たとか言っていたけど本当は、私の様子を見に来てくれたのかなって思った。
「元也は?」
「元也なら、俺の部屋で漫画漁ってる。
ココに持って来るみたいだ」
聖臣が、タオルを頭に被って濡れた髪を拭いている間、何もしゃべらず見ているだけ。
視線に気づいた聖臣は、垂れ下がった前髪の隙間から私を見ている。
きっと今日の事を聞きたいけど、どう切り出したらいいのか考えてるみたいだ。
雫が、前髪に垂れていく。
起き上がって聖臣の髪を拭いてあげると、くすぐったそうにしている。
朝とは、逆の立場になっているなぁと思っていたら、聖臣の大きな手が、私の手と重なる。
「聖臣…」
そのまま引き寄せられて、触れるだけのキスをする。
今度は、首ごと持ってかれると深いキスに変わり、角度を変えて与える呼吸もないまま、激しいキスに塗り替えられる。
「はぁっ…待って!!」
力の入らない腕で押し、聖臣を制止させた。