第6章 文化祭 *
頭が、ふわふわする。
確か…中庭を通って第二体育館へ行ったはず、その後頭が痛くなりながらも…侑君と治君と電話していた…。
まだ、夢と現実の境目が解らず目を覚ますと、自分の部屋にいた。
窓の外を見れば、もう夕焼けが終わる頃で半分は、暗くなっている。
「あれ…?」
起き上がると眩暈がして、またベット逆戻りになる。
コンコンと部屋のドアから声がかけられる。
「沙耶入るよ、いいか?」
「征兄?いいよ」
征兄は、聴診器を首にかけて、ベットの淵までくると脈を測る。
「なんか征兄って、お医者さんみたい」
「なんだそれ、俺は医者だよ」
クスクス笑う征兄と私。
「それより、学校で倒れたみたいだな。
体調は?気分悪くないか?」
頭をクシャと大きな手で撫でながら、優しく問いかけてくれる。
「うん、なんか眩暈するから起き上がれない。
それよりも、聖臣と元也は?」
「あぁ、あいつらは、部活だよ。
後一時間くらいしたら、お腹すかして帰ってくるよ」
「そっか…」
呼吸が苦しくなった時、傍にいてくれたのは聖臣だった。
大丈夫だって、傍にいるからって安心させてくれて呼吸が、だんだん楽になっていたのを覚えている。
「寂しい?」
「えっ!!」
征兄に言われて赤面してしまう。
「沙耶は、昔から寂しがり屋だよな。
聖臣が居ないと、すぐグズッたりしてたの覚えているか?」
そんな事あったかな?
「いじけてる姿は、昔も今も変わらず可愛いよな」
ずいっと顔を近づかれると、征兄と聖臣が重なる。
兄弟だから、とてもよく似ている。
聖臣が、大人になったらこんな風になるのかと思うとドキっとしてしまう。
征兄が、近づくにつれて大人の色香が漂う。
「何?俺と聖臣と重ねてるの?
俺の方が、大人のいい男だと思うけど?
あんなガキよりも、かなり優良物件なんだけどな」
冗談?からかっている?
「優良物件なんて、自分で言っちゃう?」
クスクス笑っていると、布団を捲りあげられる。
「試してみるか?」
征兄が、そう言うと服のボタンを外そうした時、ドアが勢いよく開けれれる。
『「離れろ!クソ兄貴」』
いつかのデジャヴのように、聖臣と元也が、鬼の形相で引き離す。
『ヒドイ、聖臣』と嘆いた征兄は、いつもお茶らけた顔で聖臣達をかわしていった。