第6章 文化祭 *
聖臣side
木崎が、疑い深げに俺と沙耶の仲を追求してくる。
沙耶と一線を超えたことは、一切元也に言っていない。
兄さんには、タイミングが悪くバレてしまったけど、元也に対していつも通りの振る舞いをしていたはずだ。
やはり、女の勘って怖いものはない。
「昨晩何かあった?」
木崎の質問は、ダイレクトすぎる。
沙耶と目線が合えば、真っ赤に染まって瞳はウルウルしている。
コレは、ヤバい!木崎にバレれば、変に校内中に広まる可能性だってある。
「マジ?沙耶…まさか喰われたんじゃないよね?」
「ウザい、お前黙れ!」
「佐久早に聞いてない、お前こそあり得ない。
病み上がりの沙耶に、誑かして何やっての」
やっぱりそうきたか!
「沙耶は、マジ天使で可愛いだから穢れる」
あのクソ女!言いたい放題言いやがって。
穢れるってなんだよ。
確かに沙耶の体中、昨晩愛でたお証がいくつもある。
それに、長い髪こそ視覚になって見えにくいが、沙耶の首筋には、紅い印が色濃くついてる。
髪が、ゆらゆらと揺れた時に見えるか見えないかの位置に、気づく奴は気づく際どい所につけた。
元也は、気づいているのかどうかわからないけど。
その話題には、触れようとしない。
「はいはい、結衣ちゃん少し静かにしようね。
沙耶も本調子じゃないし、真相はどうあれ食事にしないと休憩終わるよ」
俺が、暴言を吐く前に元也が良いタイミングで話を逸らしてきた。
その間、沙耶は溜息をつき、俺は、イライラを払拭出来ずにいて、話題を弁当の中身にすり替えられた。
「カワイイ~沙耶のお弁当」
木崎の第一声がコレだ。
女子って可愛い物好きが多く、急にテンションが上がるのも特有なのかもしれない。
「征兄、聖臣のお兄さんが作ってくれたんだ。
本当器用だよね、聖臣もくまさん入っている?」
沙耶に振られ、みんなの眼が俺の方に注がれる。
ゴクリと唾を飲み込んで、中身を覗くと一瞬固まった。
「げっ!!くそ兄貴!」
沙耶と同じく、可愛らしいクマやウサギのおにぎりに赤面し項垂れた。