第6章 文化祭 *
懐かしいなぁ。
聖臣と元也と私は、幼い頃から三人で遊ぶことが多かった。
今も変わらず、二人共私の傍にいてくれる。
聖臣なんか幼稚園からずっと一緒だし、元也は小学校からの付き合いだよね。
さっき元也が、くまさんとうさぎさんのおにぎりよく食べてたって言ってたけど、どこで食べたんだっけ?
アレ?靄がかかる。
聖臣と元也は、はっきりと分かっているのに、なぜかわからない。
どこで?私もその場にいた?
私は…。
「沙耶、沙耶!!」
聖臣に呼ばれ体が、ビクつく。
どうしよう…何か忘れている。
いつもピースが、一つ埋まらない。
失くしたピースは、場所だけじゃなくて物や人物も該当する。
なんで思い出せないの?
「沙耶、真っ青だよ大丈夫?」
元也が、心配そうにしているから電線するように、結衣ちゃんまで不安な顔している。
「だっ大丈夫だって、別の事考えてた。
ほら、試験とか!私休んでたから2週間後、試験するって言われてたんだよね。
なんかソレ考えただけで胃が重たくなって…」
嘘は言ってない!皆にバレたら嫌だ。
特に、聖臣に気づかれたくない。
彼は、察しが良すぎる。
「沙耶…」
「何?」
ドクンドクンと心臓の音が大きい。
バレた?
「いや何でもない…大丈夫そうなら少し食べろよ。
食べれなかったら俺と元也が食べるし、何だったら俺が食わせてやろうか?」
意地悪な聖臣の顔がムカつく。
「あんたね~これ以上大きくなってもしょうがないでしょう?古森に食べさせた方は良くない?」
「結衣ちゃん、ひどいな」
「あんた、私と並ぶと同じ身長なんだから、もっと食べて大きくならないと」
結衣ちゃんと元也が、背比べをして笑っている傍で、聖臣は私をじっと見ている。
きっと、さっきのこと気にしているはず。
だから、嘘をつく。
「聖臣、このくまさんとうさぎさんのおにぎり一緒だね。
なんか、食べるのもったいないかも」
あえて、聖臣に弁当の話題をふってみる。
「そうだな…残したら征兄がっかりするから食べないとな。
どこから食べる?」
「う~ん、そうだな、ほっぺから?」
「じゃ、俺は、頭からいくわ」
えっ?頭から一気に食べちゃうの?
大きな口にすっぽりと可愛いくまのおにぎりは、吸い込まれていった。