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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第6章 文化祭 *


聖臣side

学校に着くと、まだ眠たい沙耶を起こして昇降口まで辿り着く。

「沙耶、まだ寝ぼけてる?」

元也が、からかいながら注意深く沙耶を見ている。

「うう~ん、眠い元也…」

「コラコラ!立ったまま寝ない」

フラフラ揺れている沙耶の体を支える元也に冷や汗を掻きながら、俺も元也も片方ずつ手を伸ばし沙耶の手を引いて歩いて行った。

「二人と手を繋ぐの久しぶりかも」

上機嫌な沙耶は、お姫様気分らしく笑っている。

そのまま今日は、終わればいいのに。

下駄箱に着くと、後から声を掛けられた。

「おはよう!佐久早君、古森君」

「おはよう」

元也は、ニッコリと挨拶して他のクラスメイトと話をし始める。

俺は、ペコっと頭を下げるだけにし、沙耶の様子を窺った。

「沙耶ちゃんおはよう、元気にしてた?」

沙耶は、一瞬にて体が固まり動かなくなる。

そのうち、落ち着きがなくなりキョロキョロと周りも見渡した後、不安そうに俺の顔を見ながら袖をギューッと掴む。

「沙耶、同じクラスの神崎さんだよ」

すぐに気づいた元也が、落ち着いた態度で教えてあげると、ホッとしたようですぐに挨拶をする。

「おはよう…神崎さん」

袖は掴んだまま、ぎこちない表情。

「行くよ!」

その場を早く離れた方が良いと判断し、沙耶の手を強引に掴み歩きだす。

『ごめんね』と元也が、彼女にフォローしてくれたおかげで変な空気にならなくて済んだ。

沙耶は、深呼吸をして教室に入った途端、クラスメートから順番に挨拶してくる。

困惑した状態が続いているのか、顔を引きずりながら挨拶を交わしていく。

「沙耶大丈夫か?」

沙耶の顔を覗き込めば、真っ青になっていた。

顔を隠すようにそのまま教室を出て、足早に保健室に向かう。

予想していた通り、学校に関して記憶が飛んでいる。

予め学校側にも南條先生から説明がされており、登校前日には担任から俺達へ説明がなされた。

記憶が無くなる事は、気持ち悪くなっても仕方ないし、何より沙耶にとって辛い状況であるのは変わりない。

途中から歩けない沙耶をお姫様抱っこをして、泣きそうな背中を優しく撫でた。
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