第6章 文化祭 *
ご飯を食べながらまったりしてしまう。
久しぶりに食べた征兄の手料理。
小さい頃から忙しい両親の代わりに、末っ子とお隣のお子さんまで世話をする、面倒見が良いお兄さん。
もう一人、征臣と年子の優しいお姉ちゃんや元也も揃えば賑やかだった。
それも、お互いに成長すれば手も離れていき、征兄も大学入学を機に一人暮らしを始めた。
父親の影響もあり、医者を志し晴れて医師となってからは、毎日が大変な生活をしている。
特に救急医療なんて、下手をすれば生死の別れ目みたいな人達を診ないといけない。
一瞬だけ事故の時もぼんやりと覚えている。
救急車に運ばれ病院に辿り着けば、怒号が混じりあい一刻を争う戦場化していた。
あんな場所で働いているなんて、やっぱり大変だと思う。
それなのに、今日に限って何でいるのだろうか?
「どうした?沙耶、なんか俺についてる?」
じっーと征兄を見ていたからだろうか、笑いながら問いかけてくる。
「ううん、別に何でもないよ。
ただ、何で今日いるのかなって思って?
いつも忙しそうにしているから、中々会えてないし会えるとしても盆休みか年末年始ぐらいでしょう?何かあったのかと思って…」
「ふ~ん、まぁ俺も色々と考える事が多くてさぁ、昨日親父に相談しようと思ってたんだ。
連絡無しで来たから、間が悪く親父たちはいなし、おまけに可愛い末っ子と妹はイチャんっ!!」
「兄さん!!ご飯お代わり!!!」
話を遮り、いつもよりも大声で言う聖臣に私も征兄も吃驚してしまう。
「あ~ハイハイ、ご飯大盛ね!!」
クスクス笑う征兄と耳まで真っ赤な顔の聖臣。
「あ~兄さんは、俺をからかってるだけだから気にするなよ」
何を気にするの?征兄は、何を知っているの?
「わからないならいいよ、俺の独り言だから」
「あっうん?わかった!聖臣さぁ、こんなにいっぱいご飯食べて大丈夫なの?」
「たくっ沙耶の方が食べなさすぎなんだよ」
「これ以上無理だよ~これでも食べてる~!」
病院にいる時より食べれるようになったし、吐く事もなくなった。
でも、聖臣から見ればまだまだみたいで、『もっと食べろ!』と催促してくる。
征兄が、大盛りご飯とデザートを持ってきてくれて、テンションは朝から急上昇だ。