第6章 文化祭 *
聖臣の裾を少し引っ張りながら、胸板に頭を擦り寄せる。
「猫みたいだな」
ニャーと可愛らしく鳴いてみると、クスリ笑って頭を撫でてくれる。
「学校休まなくてもいいのか?、無理しなくてもいいから沙耶のペースで行こう」
「うん、ありがとう。
何でこんなにも不安になるのか、自分でもわからないの。
学校が恐いなぁって思って…それが何でなのか分からなくて、ココがモヤモヤしてくる」
心臓を人差し指で指し示すと、聖臣が心配そうに見つめてくる。
いつもの日常に戻るだけなのに…聖臣と元也と一緒に学校に行って授業を受けて、友達としゃべったりして帰るだけ…でも、何かが足りない。
「ピースが足りない…」
聞き返すそうとしていると聖臣の携帯にコールが鳴る。
「兄さん、今沙耶と大事な話ししているから、朝ご飯ちょっと待って欲しいんだけど?」
電話に出る聖臣は、私の顔見るなり少し複雑な表情をしている。
征兄に何か言われてるみたいで、携帯を切った途端に溜息と舌打ちをしている。
「ヤバい、遅刻する!もう電車で行くなら家を出ないと間に合わない」
ベランダから征兄が、携帯片手に呆れた顔でリビングに入って来た。
「俺が学校まで送るから、聖臣も沙耶もきちんと朝ご飯食べていきなさい。
少しぐらいなら、沙耶と話す時間取れるだろう?」
こう言う言い方をする時は、佐久早家の長男として末っ子の私達を幼い子供に言い聞かすように話しかける。
「征兄って、たまに出来る長男になるよね?」
「あははは、お前なぁ〜俺を何だと思ってるんだよ?」
「歳の離れたおじさん」
聖臣が、ブフッと吹き出し背中をヒクつかせて笑っている。
「クッフフッあはは、兄さんいくつになったの?忙しすぎて老けたんじゃない」
冗談混じりで笑いながら言う聖臣に対して、不貞腐れる征兄。
「可愛いくない!小さい頃の聖臣は、もっと可愛い弟だった!でも、沙耶だけは、あんな事言われても可愛いから別格だよな~」
「可愛いっていつの頃の話だよ!それに、沙耶が可愛いのは昔からだから」
恥ずかしい!この兄弟一体何なの?
2人してドヤ顔で言っているから、身内贔屓も大概にしないと世間様に申し訳ない。
それでも、ソレだけは譲れないと二人して言うから呆れてしまった。