第6章 文化祭 *
「わかったから話すよ…俺さぁ…」
「うん、どうしたの?」
「昨日、初めてなのに沙耶を激しく抱いただろう。
沙耶の気持ちを無視して抱いたから、本当は嫌だったじゃないかって…」
気にしてくれたんだ。
「う~ん、もし嫌だったらこうして一緒にお風呂になんて入ってないし、会話もしないし目も合わせないくらい怒ると思うけどなぁ」
「俺は…アイツに嫉妬した…取られるんじゃないかって…。
だから、沙耶を早く自分のものにしたかった…最低だろう?」
そんな事ない、寧ろ私の方がみんなの気持ちを持て余している。
「聖臣は、最低じゃない…きっと私の方が…」
「それは違う!」
「違わない!!こんな私を好きだって言っくれたのに、誰かを選ぶこともしてないし、そもそもしようとも思ってない…だって選べないだもん。
みんな大好き…元也も侑君も治君も聖臣も。
こんなの自分のエゴでしかないじゃん」
涙が、ポロポロと湯煎の中に落ちていく。
泣くのは反則、それでも聖臣は、私を甘やかしてくれる事を知っている。
「エゴでもいい、俺だって自分の気持ちしか考えてなかったからお相子だと思うけど?
沙耶が、悪いわけじゃない」
『悪くない』って抱きしめて不安を消してくれるんだよね。
こんなにズルイ女になったのは、いつからだろう。
聖臣と距離が近づく、目を瞑り触れるだけのキスをして、そのまま深いキスへと流れ舌と舌を絡ませる。
どんどん、体中が溶けていくほど甘くなる。
離されると少し寂しくて、縋るように身を寄せると抱きしめてくれるから、ついつい聖臣に甘えてしまう。
お風呂上がりは、決まっていつものように長い髪を丁寧に乾かしてくれた。
久しぶりに袖を通す制服に違和感があり、そう思うとなんだか不安になって自分の家に帰ろうとする聖臣に抱きついた。
「どうした?体調悪い?」
首を振ってはいるけど、顔をあげられない。
「沙耶、言ってくれないとわからない。
本当辛いなら休もう、兄さんに言っておくから」
「大丈夫、ちょっとだけ不安になって…」
ヤバい泣きそう。
「沙耶、ちょっと座ろう」
抱き抱えるように、強く抱きしめて安心させようとしてくれる。
やっぱり、聖臣は甘すぎるよ。