第6章 文化祭 *
聖臣side
外から兄さんの呼ぶ声が聞こえてる。
これ以上沙耶の傍にいたら、また抑えがきかない。
「沙耶もう少しゆっくり入ってて、俺先に出て着替えてくる」
キスした余韻で熱くなった体を、一気に冷たいシャワーを浴びてクールダウンする。
真っ赤な顔した沙耶に声を掛けるが、聞いているのかわからない。
「逆上せるならすぐに上がって、そん時呼んで手を貸すからな。
沙耶聞いている?」
「えぇ!あっ何?」
「何じゃない、逆上せたの?」
モジモジしている沙耶に近づき、小突いてみる。
沙耶の態度が変で、どうしたのかわからない。
目が合うと、真っ赤な顔で上目づかいに俺を見てくる。
「なんか急に…聖臣が、大人っぽい男性って感じで…それに、昨日はマジマジと体なんて見てなかったから。
全体的に体が、逞しくなってドキッとしちゃった」
「まぁ、高校に入ってからウエイトトレーニング始めたから、まだまだ先輩達よりも体できてないけど、少しはマシになったと思う」
そう言う事。
少しずつでいいから、幼馴染から男として意識してもらえたのは、単純に気分が良い。
沙耶の頭を撫で先に上がり、髪を乾かしながら制服に袖を通す。
風呂場から声がかかると思っていたのに、ヨロヨロと壁つたいでリビングに向かって歩いて来る。
「呼べばよかったのに、大丈夫か?辛いなら今日休む?」
「行く!元也と約束したし…それより時間大丈夫?部活あるんじゃないの?」
「今日は、朝練なしだから」
「そうなの?」
「学校に行けばわかる」
沙耶に笑いかければ、キョトンした表情をしている。
「髪乾かしてやるから、ソファに行こう」
沙耶を抱き上げソファに座らせた後、背後に回り込んで長い髪を乾かしていく。
小さい頃から伸ばし続けた髪は、腰まで伸びている。
茶色の柔らかい髪を触れば、自分と同じシャンプーを使ったはずなのに、甘い香りにクラクラしてしまう。
「何?」
「綺麗だなって、甘い匂いしていいね」
沙耶は、何度も切りたいって言ってたけど、俺も元也も反対した。
こんなに綺麗な髪を切るなんてもったいない。
ニコニコしながらテレビに夢中になる沙耶を他所に、櫛を通しながら髪に口づけた。