第6章 文化祭 *
聖臣side
朝のアラーム。
いつもの時間、だけど今日は違う。
目が覚めれば、暖かくて甘い桃の香りが鼻を擽る。
あぁそっか…昨日、俺と沙耶は…。
今だ眠りから覚めない沙耶をギュっと抱き締めて、一人ゴチになる。
昨晩は、意識を失うくらい激しく抱いたから、早く起きるのは無理だろうな。
でも、日課のロードワークにでないといけない時間。
名残惜しむように体を起こして、沙耶の髪に触れてキスをする。
「ロードワークに行ってくる」
返事のない沙耶に伝え、頬を人撫でしてから部屋を出た。
リビングを通って自室に戻ろうとすると、ソファに人影が見える。
まさか!親が帰ってきた?
恐る恐る見ると、見知った顔に顔面は蒼白になる。
吃驚した拍子に後退すると何かを踏んでしまう。
その音で目覚めたようで、ウェブのかかった前髪を上げながら、眠そうな顔で俺の方を見ている。
「おはよう、聖臣」
「兄さん、おはよう…ございます」
「ぶっ、なんだ敬語なんてどうした?」
「いや、何でもない…」
「昨晩は、随分とお盛んだったな!
いい声するなって思ったら、ウチの可愛い末っ子と隣の可愛い妹がやってるなんて誰が思う?」
聞かれてた?なんでこのタイミング!
「昨日、母さんから連絡が合って久しぶりに帰ったらお前部屋に居ないし、隣の可愛い妹のところだろうと思って行ったら、案の定ってやつだ」
最悪だ…。
「どうした?青春するのはいいけど、親がいない時を見計らってするなんて聖臣もやるな。
けどな…お前ちゃんと避妊してるよな?
泣くのはお前じゃなくて、沙耶なんだぞ」
「わかってる…ちゃんとしてるから」
「ならいいけど!それにしても、あんなに沙耶が、可愛く鳴くなら俺も欲しいな」
その瞬間、あの人の胸ぐらを掴みソファから引きずり落とす。
「兄さん!!」
「聖臣、俺を殴るか?」
あざ笑う兄と俺の沈黙は、一瞬にして氷つく。
「沙耶は、俺から見ても可愛い。
年々幼さが無くなって、綺麗になっていくよ。
だからかな…色んな男に告白とかされて、見動き取れなくなってるんじゃないかって!
それにお前…焦り過ぎじゃないのか?」
兄さんの言葉に茫然となる。
図星をつかれて、心が痛くなるのを目を逸らした。