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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第15章 引き合うさびしさの引力



高校に入学して、ユウはとてもモテた。
1週間に2回は告白をされ、しかし彼女はどれも断っていた。
「好きじゃなくてもお試しで付き合ってみれば?」と、言う友人の言葉に、ユウはいつもへらりと笑った。


月日が流れるのはあっという間で、ユウは高校を卒業し、大学に入学した。
地元で、家からでも通える距離の大学だ。
相変わらずユウはモテて、しかし頑なに彼氏を作ろうとはしなかった。しかしそれに痺れを切らした高校からの友人が、ユウに何故彼氏を作らないか聞いた。

「忘れられない人がいるの」

ユウはそれだけ言うと、いつもの様にへらりと笑う。

「だからこそ、新しい恋を見つけるべきじゃないの?」

友人のその言葉に、ユウは少し納得してしまった。
また行けるかもわからないツイステッドワンダーランド。行けない確率の方がずっと高いのに、いつまでもその世界にいるフロイドのことを想いづけていても虚しいだけなのでは。
それに仮にまた行けたとしても、こっちの世界と向こうの世界の時間の流れが同じだとは限らない。
行って、もうフロイドが死んでいたら。
そんなのは耐えられないとユウは思った。

友人の言葉に、ユウは初めて「わかった」と頷いた。
友人は良かったと笑うと、早速「お勧めの男友達がいるの」と、ユウに紹介する約束をした。

友人が紹介してくれた男の人は、彼女がお勧めするだけあってとても良い人だった。
彼は垂れ目で、それがフロイドを彷彿させた。

ユウはその男の人と付き合うことになった。
何回かの食事の後、告白されたのだ。
良い人だと思ったけど、好きではなかった。
しかしユウはフロイドのことを忘れようと、彼の告白に頷いた。





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