第5章 理鶯さんは欲情する
「っ、その顔、最高だな」
唇が重なり、舌を絡め合う。身も心も、全てが蕩けそうなキス。もっと欲しくて、首に回した腕をぎゅっと抱き寄せる。
「はっ、お前はどこまでもいやらしい」
入り口まで戻ったかと思えば、子宮口まで一気に突き上げられる。今更、理鶯さんがコンドームをしてないことに気がつく。
「理鶯さん、だめっ、中は……っ」
「……このまま俺が中に出したらどうなる?」
「この仕事は続けられなくなります。でも、私にはお父さんが残した借金の返済が残ってて、返せなくなると、もっと酷いところにいかなきゃならない」
「俺が肩代わりすると言ったら?」
「理鶯さんが思ってるよりも沢山のお金です。だから、私はこの仕事をやめられない」
甘い行為の最中に、そんな現実なんて考えたくもなかった。
「俺がここで欲望に負けたら、お前は幸せになれないんだな」
悲しそうな顔で言われると、胸が苦しくなる。私だって、先のことなんて考えないで、理鶯さんのそれが欲しいのに。
「っ、そろそろだ、咲」
ぐりぐりと子宮口を押されると、私も2度目の絶頂に達しそうになる。
「はあっ、私も……っ」
ビクビクッと体をのけぞらせてイってしまうと、理鶯さんは素早くソレを抜いて、私のお腹に擦りつけるようにして生温かいもの出した。
「お前を幸せにしたい。世界はもっと広いんだということを、お前に知って欲しい」
もつれこむようにしてずるずると2人で床に落ちると、理鶯さんは私を抱き締めながらそう言った。