第5章 理鶯さんは欲情する
「はっ、本当は軍人として自制しなければならないのにな。お前に会いたくて限界だった。左馬刻には悪いことをしたが、たとえ一時でもお前を独占することが出来て、幸せだ」
包みこむように後ろから出来締められ、耳元を甘噛みされると、堪らない。
「りお、うさんっ……きもち、いいっ……」
はあ、と深く甘い吐息を吐いて、体に回っていく熱を吐き出す。
「もっと深く、つくぞ」
そう言って理鶯さんは立ったまま私の左脚を上げて突き上げた。
「あっ、そのかっこうは…っ」
「お前を感じてると、自分でも訳がわからなくな位、頭がおかしくなりそうだ」
後ろを向くと、荒く呼吸をして、余裕がなさそうな顔でこっちを見ている。はじめて邂逅したときのような、今日再会した時のような、穏やかな眼差しにはそこにはない。雄が雌を求めるような、野性的な眼差しは私を興奮させた。
「っはあ、立ちバック、凄く、いいですっ……」
別の男の人にされるのが嫌になるくらい、理鶯さんとの立ちバックは気持ち良かった。会ったのは3回だけなのに、身も心も、私は理鶯さんに夢中になっていく。
「悪いな、咲。久しぶりで余裕がないっ、ここで一度出させてもらうっ……」
一際奥を突いたあと、理鶯さんは私の中で射精した。
「っはあ、はあ……」