第4章 約束
キャストがいない広々としたフロントに戻ると、左馬刻さんと銃兎さんがシャンパンを飲みながら少し不機嫌そうな表情で理鶯さんを見ている。
「おう、理鶯、おせぇじゃねえか」
「まったく、待ちくたびれましたよ」
「すまない」
理鶯さんは、申し訳なさそうに眉を下げる。
「ハッ、あんまり興味なさそうな顔してたくせに、お前が一番溜まってたってか」
「まあ、理鶯も男ですからね。あんなサバイバル生活なら女性と関わる機会もそうないでしょう」
――結局あの後、私は理鶯さんに2度も抱かれた。
立ちバックと対面座位。私はイキすぎてヘトヘトになっていて、疲れを隠すのが精一杯だった。
2人は腕を組みながらニヤニヤしながら私と理鶯さんを見つめると、理鶯さんはいつものように感情を表に出さずに、こう言った。
「小官は、左馬刻が好きなだけと言ったからそれに従ったまでだ」
左馬刻さんはまた腕を組み、ふうとため息を吐いて、銃兎さんと一緒に席を立った。
「つったって、程度があるだろうよ。それに今回は俺様が払うが、今度来るなら自分で払えよ」
「ああ、分かった」
理鶯さんはくるりと私の方を向いた。
「世話になったな」