第2章 第55回壁外調査
「はあ、…おーよしよしファジー」
私の愛馬のファジーを撫でる。
「今回は、巨人の生け捕りだってさ。
ハンジさんの奇行がまた見れそうだよ」
さて、そろそろ行くか。
残ってるのは、私とファジーだけ。
そりゃそうだ。
あと5分で出発なんだから。
「よっと、」
ファジーに乗って、陣形の定位置に着くと
私の後ろにいるペトラが私を見る。
「…サリー、死なないでね」
「あったりまえでしょ!」
「……ふふ、サリーらしいや」
いよいよ、出陣の時間だ。
「今日の成果が、人類にとって大きな一歩に近づくだろう!!」
エルヴィン団長が叫ぶ。
普段温厚な団長が大声で叫ぶ事で、私たちの士気が高まる。
「総員、心臓を捧げよ!!!!!!」
その言葉と同時に一斉に馬が走り出す。
「第55回壁外調査!!開始!!!」
また始まる。
地獄の壁外調査が。