第8章 チビ太救出!
「大丈夫だ。俺は○○を信じてる」
すると中から声が聞こえた。
『お集まりの皆様!海賊チビ太の処刑は予定どおり、正午といたします!今しばらくお待ち下さい!』
正午まではもうそんなに時間もなかった。馬車の馬に薬をかがせるため準備するカラ松たち。だが○○の姿はまだ見えない。
「○○ちゃんまで捕まったとか…?」
「それならもっと騒ぐだろう」
その時一松がたくさんの猫を引き連れてきた。
「こいつらも協力してくれるって」
「よし!」
まだ戻らない○○にカラ松はソワソワし始める。が、時間は迫ってきていた。
『皆様!お待たせいたしました!これより海賊チビ太の処刑を行います!』
役人の声と観客の歓声が聞こえる。場内にチビ太が連れてこられたのか、歓声が大きくなった。
「時間がない。突入するぞ!」
「「アイアイサー!」」
馬車馬に薬をかがせ、御者台に乗る。
「はいや!」
手綱を操り馬を走らせる。
猫たちは思い思いの場所から入る。
場内は突然の乱入に大騒ぎとなった。
「何事だ?!」
「オザーキ海賊団参上!俺は船長のカラ松だ!チビ太を返してもらうぜ!」
「船長…!みんな…!おいらのために…!」
「ええい、こいつらも捕まえろ!」
その時。ザーーーーーッという音が聞こえた。
「何だ、雨か?」
「お、おい!見ろ!何だ、あれ!」
観客が空を指さし、全員がそっちを見る。
「うわあ!何だ、あれは!」
「と、鳥だ!鳥の群れだ!」
無数の鳥が処刑場の空をを真っ黒に染めるほどに集まっていた。そして地上からも、たくさんの動物たちが押し寄せた。そしてその中の巨大なボクサー犬の背中に○○がいた。
「○○!心配したぞ!」
「遅くなってごめんなさい。この子たちを手なずけてたの!みんな、チビ太を助ける手助けをして!」
○○の声を受け、犬たちは猫たちも交えて役人たちに襲いかかった。鳥たちも役人や貴族たちに糞を落とす。鳥の糞が服や髪についた貴族たちは、次々と処刑場から出ていく。大騒ぎになったところでカラ松がチビ太を縛る縄を切った。
「迎えに来たぜ」
「船長…!ありがてぇ!おいら、きっと来てくれると思ってやしたぜ、バーロー!」
「チビ太。またおいしい料理を作ってよ」