第8章 チビ太救出!
「グッモーニン、じゅうしまぁつ」
「あれ、僕が一番だと思ったのにな」
「おはよう、チョロ松くん」
「あれ…みんな早いね」
「お前も来たか、一松」
結局全員起きてきて朝ごはんを一緒に作ることになった。
「あまり食い過ぎるなよ?いざってときに思うように動けないぞ」
「「アイアイサー!」」
食事の後、カラ松たちは街の様子を見に行った。街の人々はすでにチビ太の公開処刑を待ちわびているようだった。行き交う人みんながその話をしている。
「正午の処刑、見に行くだろ?!」
「もちろん!めったに見られないからなあ!」
「俺はやめとく」
「え?!なんで?!」
「ようは人殺しだろ?どんな罪犯したか知らないけど、人を殺すとこなんて見たくないよ」
「えー?!もったいないなー」
「やめとけやめとけ。こいつ妹を」
「あー………。そうか。じゃあな」
そんなやり取りを聞いていたカラ松は
「へぇ。ああいうのもいるんだな」
と呟いた。誰しもが喜んで処刑を見に来るわけではないのを知ることができた。
入り口ではすでに貴族たちが馬車に乗って続々と詰めかけていた。元から庶民の命など数に入れていないような連中だ。今日の処刑を心待にしているだろう。貴族という階級があるだけで、中身はヘドロ以上に汚く汚れている。
警備はというと入り口に二人いるだけで手薄だった。恐らく全員中で見たいのだろう。
「正午までは少し時間がある。処刑はチビ太を処刑台に移してありもしない罪状を並べてからだ。処刑はお決まりの絞首刑だろう」
ただ、もしもの時のために貴族に扮したチョロ松が中に入っていった。予定よりも早く行われることになれば救出できなくなるからだ。それにチビ太が出てきたら合図する手はずになっている。
おそ松たちがカラ松のところにやって来た。
「中は満席状態だぜ。庶民は立って見るんだってよ」
「まあそうだろうな」
「あれ?○○ちゃんは?」
「○○なら考えがあると言って、どこかへ行ったぞ」
「一人で?大丈夫なの?」
「何かあれば合図するように言ってある」
「もしできない状態にあったら?」
「それはチョロ松にも言えることだな。もう一人中の偵察に行ってくれ!」
「僕が行く」
十四松が中に入って行った。
「○○ちゃんはどうすんだよ」