第4章 勿忘草*黒執事(セバスチャン)*切裏○
____あれは、もうずいぶんと昔の話です。
私は坊ちゃんの前の前の前に一度だけ、魔女に仕えたことがありました。
貴方「ねぇ、悪魔さん。」
セ「なんでしょう?」
貴方「私はいつ・・・いえ、なんでもないわ。」
彼女は人間になりたくて、日々研究をしていました。
毎日が実験の繰り返しで・・・
貴方「あぁ!!また失敗!!悪魔さん!脱出するわよ!」
セ「え?あ、はい。」
ドガーン!!
セ「おやおや、今回はいつもに増してすごい煙が・・・」
貴方「うぅ・・・恥ずかしい・・・」
セ「では、跡形付けをしてきます。」
貴方「・・・お願いします。」
家を何度破壊したことやら・・・
それでも彼女は諦めなかったので、つい聞いてしまったのです。
セ「なぜ人間などになりたいのですか?」
貴方「えっ!ぁ、うーんと・・・」
セ「・・・言いづらいのでしたら、」
貴方「わ、私には想い人がいて、その方は人が好きなの。」
セ「ほう。想い人ですか。」
貴方「えぇ。でもその方は私を見向きもしないの。」
セ「それで、人になろうと・・・。」
貴方「バカみたいでしょう?でも、悪魔さんにもいつかきっと、わかるわ。」
セ「そうでしょうか?」
それまで私自身 恋 というものをよく知らなかったので、バカバカしくてあきれていました。
そんな私には微笑み、もう一回、と手を引くのでした。