第3章 スターチス*マギ(ジャーファル)*甘裏×
仕事場から離れ、私が向かった場所は・・・
コンコン
ジャ「ヤムライハ、入りますよ?」
ヤム「ジャーファルさん!?今開けます!」
ガチャ
ヤム「ジャーファルさんが訪ねてくるなんて珍しい。どうかなさいました?」
ヤムライハがドアを開けるとフワッと紅茶の香りがした。
彼女は紅茶マニアと言っていいほど紅茶が大好きだ。
ジャ「はいますか?」
ヤム「ダメですよ。しばらく私の部屋から出さないことにしたんですから!お仕事があるのでしたら私の部屋でやらせます!」
・・・これは困りました。
ヤムライハなら、なんとしても彼女の出国を妨げると思ってはいましたが・・・。
ジャ「大事な用事なのです。少しの間だけでも・・・」
ヤム「ダメです!!お引き取り下さい!」
バタンッ
・・・・・・・。
ヤ、ヤムライハ・・・!!
なに独占しているんですか!!
私だって!頑張ってここまで来たのですよ!!
・・・言いたいけど言えない。
この気持ちがもどかしくてたまらない。
シンの言葉を思い出す。
伝える・・・。
私はどこかで気づいているのです。
きっと彼女はシンが好きだ。
シンもそれを承知で私に・・・
急に胸のあたりが痛くなった。
ジャ「くっ・・・」
ドアに手を当てた瞬間
貴女「ジャーファルさん・・・?」
ドア越しに彼女の声がした。