第9章 始まり
雅龍は…平静を装う…父 礼二の読む新聞に…
目を止めた
松平家 全焼
その文字に…
松平 暁也…を思い出した
無事…姉を脱却して…
討ち果たしたのだな…
雅龍は…瞳を瞑った
夏海も…その新聞をに目をやった
大規模な火災だったのに…
風がなく、移り火は避けられた
火災は物の見事に松平家のみを全焼して…建物は…消し炭になり…
崩れ落ちた…
哀しき…魂が…
黄泉へ渡れます様に…
夏海は…祈った
夏海は雅龍に部屋に置いてきた現金の封筒を取りに行ってくれと…頼んだ
雅龍は立ち上がると、離れへ向かい
夏海の頼まれものを取りに向かった
雅龍がいなくなると、夏海は…
「私、雅龍を夫に向かえたから!」
と家族に告げた
神楽のしきたり
神楽の定め
そんなものに…囚われて…
もんなものを守って…
神楽は…存在している
母 香住は…
「お前は…不本意な事は絶対に認めない
納得して選んだのでしよ?」
と、確認した
解っていても…
人でない雅龍を選ぶと言う大変さは…
昔と今とでは…
大きく違う
「ええ。私は納得して雅龍を撰んだの」
堂々と臆する事なく
夏海は、家族に告げた