第8章 熱
雅龍は…
両手で、夏海の頬を挟み…
顔を持ち上げた
「共にいてくれぬか?
もう離したくはないのだ…
愛されずに…過ごしたくはないのだ…」
愛されず
体躯だけ差し出され…
快感を貪っても…
心は満たされない
愛されたい
愛されたい
我を愛して…
愛して欲しい…
自分だけを愛して…
愛して…
雅龍は震える指で…
夏海に告げた
「愛しておる…夏海だけを」
震える雅龍の指が…
夏海の唇を…なぞる
「私、だけ?」
「あぁ。お前だけを。」
「愛してくれるの?」
「お前以外は…愛さぬ」
夏海は…
雅龍を抱き締めた
こんなに嬉しい告白はない
今捕まえなきゃ
未来永劫…
捕まえられないわよ!
「雅龍、私だけを愛して!」
「約束する」
「私は雅龍だけを愛すから!」
え?
嘘…
聞き間違え?
もし…
聞き間違えなら…
もう…この世から…
自分を消してしまおう…
雅龍は夏海を見つめた