第8章 熱
「雅龍、話をしようよ」
夏海は上に退し掛かる雅龍に
「ほらほら、上から退いて!」
と、優しく背中を撫でた
確かに…話し合いが足りない
言葉が足らない
想いが…
ちぐはぐに…
擦れ違いになってる
雅龍は、夏海の上から退くと…
夏海の前に正座をした
夏海は、そんな雅龍に…
クスッと笑った
「夏海は…我が…嫌いか?」
「嫌いじゃないよ!」
「ならば…何故…?」
「雅龍は…神楽 茜を愛しているんでしよ?」
亡くなった人には…叶わない
心に…残る人には…
太刀打ち出来やしない
「……話を…聞いてくれぬか?」
「良いわよ!」
「神楽 茜を…好きだった
だけど…神楽 茜には…言い交わした相手がおった」
雅龍は…苦しそうに…
過去の話を始めた