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鏡の中から

第14章 また明日




眠りに落ちた我が子を腕に抱き

ベッドに寝かせる

額にキスを落とし

「煌星…凰星…」

また明日。おやすみ…と言い掛けて…

言葉を飲み込んだ

毎晩二人に送った言葉

『 煌星、凰星、また明日、おやすみ』

愛しき子にキスを落とし

明日を信じて、電気を切った

また明日…信じて疑わなかった時間があった

もう夏海には…二人を寝かせる…夜は…二度と来ない

おやすみ…と言い

寝かせる…夜は来ない

淋しさが…夏海を襲う

覚悟はしていたのに…

突き付けられる現実に…

心が着いて行けなくなる…

雅龍は凰星を抱き上げ、夏海を促し

子供部屋を出た

夏海の寝ている部屋に行き

夏海を寝かせると凰星を横に入れた

自分の布団も、その横に敷くと…

親子で川の字になって寝た

何時か…

何時か…巡り会える時が…

必ず来るから…

その時は…また明日ね…って、煌星に言ってね

私達の分も…煌星に言ってね…

願いにも似た想いで…


夏海は…凰星を抱き締めた

雅龍は、二人を抱き締め…

明日を信じて眠りに着いた




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