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鏡の中から

第13章 愛しき日々




「泣かないの…」

夏海の優しい指が…

雅龍の頬の雫を、拭って行く

「夏海…我は忌み嫌われていた…」

「そう?私は愛してるわよ雅龍」

「我は…化け物だと言われた…」

「化け物?変身するのが化け物なの?」

夏海はケラケラ笑った

夏海に掛かれば、龍に姿を変えるのも…

変身になってしまう…

戦隊ものの…変身と違うのに…

「変身……?」

「変身でしょ?
姿は変わっても雅龍は変わらないわよ
どんな姿になろうとも雅龍は雅龍よ!」

どんな姿になろうとも雅龍は雅龍よ

こんな言葉を送ってくれる人間は…

未来永劫…

夏海しかいない!




夏海だけだ

夏海…

雅龍は夏海を思いっきり抱き締めた


「夏海…」

往来で…堂々とラブシーンをやるのは適してない

往来で抱き合うカップルを…嫌悪して避けて人は行く

夏海は…まさか…自分が往来で…抱き合うなんて思ってもいなかった

でも、それさえ…

愛しき日々だった

「雅龍、帰ろうか?」

夏海が手を差し出すと、雅龍はその手を取った

指を搦め…

強く

強く

握り締める

絶対に…離さないでね

言葉にしなくても

指が互いを感じていた


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