第3章 契り
「ほほう…夏海は手付かずか
雅龍は幸福者だわい」
夏海の言葉なんて聞いちゃいなかった
「雅世、ラッキーであった
今の世は処女なんて期待は出来ぬと想っていたからな!」
「そうじゃろ?
夏海のモテるのにな有段者だからのぉ
触りでもしたら…投げ飛ばすからのぉ」
お婆様は暢気に…笑っていた
「可愛い妻で我は幸福者だ!」
雅龍は夏海を抱き締め…ご満悦だった
夏海は、どっと疲れ…
「誰も私の話を聞かねぇのかよ!」
と毒づいた
「さてと、家族や一族にあないするとしょうぞ!
あっ!飛鳥井の黄泉の眼を持つ主にも合わせないとな…」
「飛鳥井か…懐かしいな!」
雅龍は飛鳥井の真贋を思い浮かべていた
背が高く、綺麗な男を思い浮かべ微笑んだ
夏海は…なんかムカつく!
と、雅龍の足をふんずけた
「……っ!」
雅龍が目を顰めた