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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第15章 空腹スカベンジャー!【Ruggie】



ラギーは骨の付いたチキンレッグを掴んで、ガブッとかぶりついた。

さっき監督生もいただいたけれど、ハーブやスパイスが効いていて美味しかった。
監督生がフォークやナイフを使ってやっとのことで骨から身を引き剥がし食べていた肉を、ラギーは自分の口を上手に使ってガリガリ削っていく。

「わぁ…」

軟骨、もしかしたら骨まで、ゴリゴリと音を立てて齧っている。
肉の繊維を引きちぎって食らう音がする。

その咀嚼音は、あまりにセクシー。

少しだけ赤い血が混ざった肉汁が滴ってそれをペロッと舌を伸ばして飲む姿も、まさに"骨の髄までしゃぶり尽くして"いる姿も、次のひとくちの為に喉の奥を開いて大きく口を開ける姿も。

どうにもドラマチックで釘付けになってしまう。
静寂の中でラギーが立てる音だけが響いている。
ASMR動画を撮ってみたい、とも思った。


「…ふぅ。」

やがてラギーは食べるところがなくなった肉の残骸をポイ、と皿の上に落とした。
最後の一皿であった。

「見過ぎだっつーの」

ジロ、と指先を舐めながら黒目をふいに上げたラギーに、監督生はハッとして目を逸らした。

確かに見過ぎだった。
彼の食べる姿が凄すぎて、目が離せなくなっていた。


「シシシ、あ〜食った食った〜」

ラギーはお腹をさすっているが、彼は元々かなり細身なので全然膨れている様子はない。

「あの、ありがとうございます」
「ん〜?」
「ラギー先輩のご飯、全部美味しかったです。冷蔵庫の中身も消費できました。ごちそうさまでした」

と言って監督生はまた手を合わせた。

「アンタ随分少食ッスね〜女の子って皆そんなちっとしか食わねえんスか?」
「いえいえ結構食べましたよ!ラギー先輩が大食いなだけですって」
「シシシ。まあ食える時食っとかねぇと」
「生き残れない、ですか」
「そーいうコト。」

ラギーは冷たい水をグッと飲み干した。

彼の様子を見ていると、まだまだ食べられそうな顔をしている。


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