第15章 空腹スカベンジャー!【Ruggie】
監督生は皿の中のものを少しずつ小皿に取っていただいたが、ラギーは最早大皿のまま食べていた。
余程お腹が空いていたのかしら、彼の食べるスピードは一向に落ちない。
ブレザーを脱いで、ネクタイをヒョイ、と肩にかけるようにして退けて、次々と料理を吸い込んでいる。
その食べっぷりは見ていると気持ちが良くて、監督生は思わず見入ってしまった。
「なーに見てるんスか」
口元のホワイトソースを舌でペロリと拭って顔を上げる。
監督生はラギーの食べる姿に興味津々なようだった。
「おカネ取るッスよ」
「あんまりにも美味しそうに食べるから」
「監督生くん全然食べてないじゃないッスか。食える時食っとかねぇと生き残れねぇッスよ」
「ラギー先輩を見てるとお腹いっぱいになってしまうわ」
「シシシ、じゃあキミの分もオレが食ってあげるッス」
・・・
ラギーは休むことなくスプーンとフォークと口を動かして、一枚、また一枚と皿を空にしていく。
大食い番組を見ているような気分になる。
「一応タッパーも持ってきてたんスけど、全部食っちまいそうだ」
監督生も結構食べたけれど、もう満腹になってしまってお茶を飲みながらラギーの様子を眺めていた。
前にハイエナの捕食シーンをテレビの動物番組で観たことがあったけれど、こんな感じだったかも。とラギーの犬歯を見つめる。
お行儀はあまり良くなかったが、魚や肉は食べ残しの部分がほとんど無く綺麗に平らげていた。
皆がラギー先輩みたいに食べればフードロスが減るかも、とか思いながら見ていた。