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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第14章 略奪ライアー!【Trey】



ケイトはトレイの事情を知っていた。

トレイが監督生に恋をしていること。
それと同時に監督生には彼氏がいることも前から知っていた。

話はしばらく前に遡る。


・・・

・・・


ある日の部活帰り。

ケイトはハーツラビュル寮から出てくる監督生に会った。
その時はいつもの様に、10分くらい話し込んでから別れた。

その時はああ、トレイくんに随分と懐いてんな。くらいにしか思わなかった。
けれど、トレイの方は完全に監督生に気があることにきづいていたから『苦労するな〜』と苦笑した。


それから、その日ケイトは監督生にした質問と全く同じことをトレイにも聞いてみた。

「トレイくん最近監督生ちゃんとイイ感じじゃない?ぶっちゃけどうなの?」

と。

するとトレイは、

「どうだろうな。あいつは元の世界に彼氏がいるらしい」

と片方の顔で笑っていた。

あー、知らなかったんだ。そして、知っちゃったんだ。
やっぱりトレイくんって苦労性だな。

ケイトはドンマイ、と肩だけ叩いてやろうかと思ったが、トレイの顔を見て、やっぱりやめた。

「うっわ、トレイくんお顔コワ〜イ。やだやだ!」

ケイトは場違いなほど明るい声を上げた。

ケイトはトレイのこの顔を知っていた。
何かを企んでいる時の顔だ。


「薔薇が白いなら、赤く塗ればいいだけだろう?」


ケイトはこの瞬間理解したのだった。
トレイの好きになった子が彼氏持ちだった。
しかし彼はそこで手を引くような男か、答えはノーである。

ケイトは知っている。
トレイは穏やかでクールで大人なように見えるが、人一倍根に持つ男であることを。

きっと、トレイは監督生をものにするための策を既に巡らせているのだろう。

トレイくんは、監督生ちゃんを略奪する気だ。


「相変わらずいい顔するよね〜。ほらカメラ見て」

二人はニヤッと笑って謎に自撮りをした。

「はは、なんでもある日バンザイ」


トレイはこういう男だ。
"普通"の仮面を着けて、平気で嘘を吐き、笑っている。



この学園に""普通の男""など、いるわけがない。


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