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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第13章 夢枕ララバイ!【Riddle】



「…とはいっても、そうすぐには眠れないね」

ティーセットを片付け戻ったが、監督生はまだ目をぱっちり開けて起きている。

リドルは分厚い魔法哲学の本を手に取り、彼女の枕元に座った。


「ボクは暫くここにいるよ」
「はい」


静かな部屋の中で、ペラ、ペラ…と頁を捲る音が響く。

監督生はいつもと違う心地よすぎるベッド、枕元で背を向け座っている自分の恋人、その両方に意識がいってしまって瞬きを繰り返す。
彼女はとても眠る気にはなれなかった。


「寝たかい?」

数分経ってリドルが聞く。

「いいえ」

監督生は少しも眠くなかった。
授業中ならあんなに眠くなるのに。
いざ横になってこんなに熟睡できそうな環境を整えてもらっても、一向に眠気が来ない。

リドルはパタ、と本を閉じ


「…謎かけをしようか。」

徐に言い出す。
彼は監督生の顔が見えるように座りなおした。

「なぞかけ?」
「今からボクが歌う歌を、よく聞いて。問題を出すから」
「はい」


リドルは落ち着いた様子で、唇からそっと歌を紡ぎ始めた。

ゆっくりゆっくりと、"ハンプティ・ダンプティ"の歌を歌う。
声変わりしたての17歳の、透き通る美声が監督生の耳に柔らかく届く。

これは薔薇の王国ではよく歌われるマザーグースであった。(尚我々の世界ではイングランド発祥のなぞなぞ歌である)

監督生はそのメロディを初めて聴くのに、まるで小さい頃から歌ってもらっていたかのような懐かしさがあった。

安心しきってその歌詞に耳を傾ける。
が、よく聞けば結構怖いことを言っている。
そういえば自分の故郷で歌われていた童謡も、ちょっと怖いものがあったような。


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