第13章 夢枕ララバイ!【Riddle】
授業に真剣に挑むこと、それは学生の務めだ。
しかしそれ以上に、最近の彼女の目元に浮かぶ青いクマは見ていて痛ましい。
魔力を持たないたった一人の女の子が、毎日登校し名門ナイトレイブンカレッジの授業を一生懸命受けている。それだけでも褒められたものだ。
ただでさえうちの寮の一年生たちの面倒を見てもらっているうえにグリムの世話もしなくてはならないし。
当然、勉強も分からないことだらけだろうし、他の生徒以上に予習復習に時間をとるだろう。
寮へ戻って眠るまでも彼女は一瞬も気が抜けないのだと思う。
女の人の夜は忙しいという。
男のリドルにはわからないが、きっとお風呂から上がり肌や髪の手入れに勤しんでいればあっという間に夜がふけてしまうのだろう。
しかし、そんな苦労を彼女は感じさせない。
強い子だと密かに思う。
だからこそ、ボクは彼女が心を許せる存在でなければならない。
何処かで必ず息抜きをしないと自分のように爆発してしまうのだから。
それをボクは彼女から学んだんだ。
あの子といればボクはシャツの襟とタイと、あとは気持ちをほんの少し緩めて座っていられる。
今度はボクの番だ。