第9章 独占マーメイド!【Azul】
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監督生はオクタヴィネル寮のバスルームから上がって、ふわふわのタオルで身体を拭く。
脱衣場にはアズールに着せてもらったドレスが乾いた状態で掛かっていた。
彼女はそれを着ると、キョロキョロしながら外へ出た。
「監督生さん、此方へ。」
「髪の毛乾かしたげる」
アズールの姿は見えなかった。
フロイドに促されドレッサーの前へ座ると、彼は機嫌が良いのか綺麗にブローしてくれる。
その間にジェイドは監督生に靴を履かせ、アクセサリーを着けられる。
「あの、これは…?」
「はぁい目ぇ閉じて」
リーチ兄弟は分担してすっぴんの監督生にメイクを施し、終わったら
「行ってらっしゃいませ」
「いってらっしゃぁい」
と手を振り送り出された。
何処へ…?
と思いながらオクタヴィネル寮の談話室まで歩くと、ステッキに寄りかかって水槽を眺める彼がいる。
「監督生さん。終わったようですね。」