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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第8章 三日月スプーキー!【Malleus】



何がしたいの?

しかしそんな事を問いただす暇も与えない。

ツノ太郎は機嫌が良いのか悪いのか、森の中の木々をぶつかる寸前で交わしながら猛スピードで進んでいく。

耳の横をビュンビュンと風が通り過ぎていく。


「ツノ、太郎」
「何だ」
「やめて、もうやめて」
「ではやめてやるとしよう」
「わっ!」

地面の数十センチ上を飛んでいた箒は突如消え、監督生は森の真ん中に着地した。

同時にツノ太郎も姿を消す。


「ツノ太郎?」

監督生の声は森の中に虚しく響いた。

嘘。私をこんな所に置き去りにするの?


辺りを見渡すが見えるのは奇妙な木の影だけ。
その細い枝は人間の指のように見え、洞がつり上がった目のように見えた。


「何処に行ったの…?」

その時、見覚えのある緑色の炎が森を覆い尽くす。
頭上から切り裂くような獣の鳴き声が聞こえる。


「なに…?!」


バサッと大きな鳥か何かが羽ばたく音と、真っ黒な翼の影。

大きく不気味な"それ"は地響きと共に監督生の前に立ちはだかった…。


「ド…ドラゴン…?」

緑の炎を吐く、大きなドラゴンだ。

瞳の色は炎と同じ緑、監督生をギロリと見つめている。


「たすけて…」

私はここで殺されるのだろうか。

ドラゴンの枯れるような声は背筋を震わせる。
ドラゴンが一歩歩けば、その振動は地を伝って監督生の心臓を揺るがす。

後退りするも、いつの間にか木々が帰り道を塞いで行き止まり。

恐怖と不安に押しつぶされそうになった時、咄嗟にその名前を呼んだ。


「ツノ太郎!助けて!!」



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