第5章 翼をもたない小鳥はずっと
涙すら出ない。
リアは崩れるようにベッドに倒れ込んだ。
どうして私ばかり…
目の前が真っ暗になる。
息が吸えず、顔が赤くなる。
黒いドロドロが体中を埋め尽くしていくようだ。
「お兄ちゃん…私はやっぱりダメなんだよ。」
もう何も考えたくない。
だってそうでしょう?
私は死ぬまでこの部屋から出られない。
兄の死を弔うことすら許されないんだ。
瞳からは光が消え、少女は頭をからっぽにした。
遠くで誰かが啜り泣く声が消える。
きっと葬儀が始まったのだろう。
カーテンを少しだけめくり、窓を覗いて星を眺める。
窓の外でも同じように星を見上げる人間がいた。
「…調査から帰ったばかりのこの忙しい時に呼び出してくれるとはな。」
背が高い金髪の青年は疲れきった表情で伸びをすると、
空を見上げた。
今夜は星が綺麗だな……なんて考えている。
ふと建物に目をやると、
窓から自分と同じように星を見る少女がいた。
星を眺めているようだが、意識はどこか遠い所へあるのか表情が無い。
彼はじっと彼女を眺めていた。