第5章 翼をもたない小鳥はずっと
それはリアが背丈も髪も伸び、あどけなさを残しつつも大人になりつつある頃。
リアは大人としか会話をしないせいか言動も大人びていて、両親曰く「面白みのない人形」のようになっていた。
ある程度の教養はつき一通りの学習を終え、毎日ベッドで本を読むことが日課。
日を浴びていない肌は透き通るように白く、ずっと部屋から出ない生活にも慣れてしまい、逆らうという考えすら思い浮かばない。
そしてその日はようやく来た。
「リア!!合格した。これでお前に外を見せてあげられるぞ!」
いつものように寝静まる時間に隠れるようにではなく、扉を大きく開け走ってリアに抱きつくロイ。
後ろで使用人達がうろたえているが、ロイは話をやめようとはしない。
ロイは当時の最年少で医師免許をとり、世間を騒がせていた。
やっぱりお兄ちゃんは私なんかと違ってすごい。
かたや私は世間のことなんて何も知らない。
兄妹でも違う人間。
そう思わざるを得なかった。
「外はすごいんだ。人はたくさんいるし、犬や鳥がいる。店がたくさんあっていい匂いがそこら中を漂ってる。そこにようやくお前を連れ出せる!!」
リアは兄の話に想像を膨らませ、頬が緩む。
「やっぱりお前は笑顔が1番かわいいな。」
ロイは昔のようにリアの頭を撫でて笑っていた。