第3章 放浪記
「ん!!?
レイリーか!!!そなた」
「レイリーではニョいか!!!」
「おお、グロリオーサか、懐かしいな」
丁度良いタイミングで女人国の人たちと居合わせる。
どうやら冥王とは旧知の仲らしく、昔話に花を咲かせていた。
彼女たちが持ってきた大量のご飯の前にジンベエさんが腹の虫を鳴らしたがハンコックがルフィの分だ!!と怒鳴った。そして私にも睨みをきかせてきた。
「そなたはルフィとどういう関係じゃ!!」
「あァ、コイツは。おれの姉ちゃんだ!!」
私が答えるより先にルフィが答えた。
ハンコックからは“ガーン”と聞こえるくらいの衝撃が走っているらしく、その場から石のようになって動かなくなった。意識を取り戻したと思ったら私のもとによって「そうならば早よ申してくれれば…そなたも遠慮せずに召し上がれ」とさっきまでの態度と一変した。前にも兄弟だと話したのにな……
ゴマでも擦ってるのだろうか、私にそんなことをしても意味ないのに、なんて思うがハンコックの態度が面白いので何も言わないでおく。
「ルフィ君、食うておけ。
食う事は生きる事じゃ!!!」
ジンベエさんの食べる姿を見習ってルフィも次々に口の中に料理を放り込んでいく。その姿は10年前と変わらなくて思わず笑みが溢れた。
「はそれだけでいいのか?」
『うん、あなたを見てるだけでお腹一杯よ』
ゴムだからなのか、それとも口が大きいからなのか。
掃除機の如く飲み込まれていく様子を見ているとなぜか満腹感が来てしまった。が、ジンベエさんにビタミンだけでも、と果物がたくさん渡された。彼なりに心配してくれているのだろうと思って頂戴しておく。
「ルフィ君、」
冥王に呼ばれてルフィの手が止まった。
私もジンベエさんもそちらを振り向く。
「君はこれからシャボンディに向かうつもりだと言ったな」
「うん。仲間達に会いてェんだ」
「本当にそれでいいのか?
あの島で君達の身に何が起きた」
その一言でルフィは怯えた表情に変わった。一体何が起きたのだろう。ジンベエさんと目が合うが彼もわからないようだった。しかし、ルフィにとって何か嫌な事が起きたに違いない。彼の表情がそう物語っている。
「繰り返す為に、また集まる気か?
私から一つ提案がある。のるかそるかは勿論君が決めろ」
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